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こんにちは、ふくろう(@fukuro_house)です。
我が家は、二世帯住宅を建築中。
- 義両親:70代
- 息子:1歳
1階が親世帯、2階が子世帯で居住しますが、2階キッチンは共用。
(1階はミニキッチンのみ設置)
このため、70代の義両親も、1歳の息子も階段を利用します。
我が家は、子供も高齢者も、安全に登り降りしやすい階段をテーマに、設計していただきました。
階段を変えると、間取りに大きく影響します。
このため、我が家は、すべての希望を満たす階段は断念。
できる限り希望を叶えられ、かつ、他の間取りの影響も最小限にできる方法を考えていただきました(設計士さん、ごめんなさい……)
これから、家作りをされる方は、ぜひ、階段について最初から考えていただくと、良いと思います。
この記事では、
- 安全に登り下りしやすい階段とは?
- 階段設計で起こりやすいミス
について、ご紹介します。
これから、おうち作りをする方の参考になれば幸いです。
あとで変更するのは、ほんとうに、大変でした!!!!
目次
登り下りしやすい階段とは?
蹴上と踏面のバランスが大切
階段の登り下りのしやすさは、段差の高さ(蹴上)と、踏板の奥行き(踏面)のバランスが大切。
昇降しやすい階段は、蹴上と踏面のバランスによって決まるといわれています。
上りやすい階段寸法の計算方法について、例をあげて紹介しましょう。一般的には、上り下りしやすい階段寸法を算出するには、蹴上の2倍に踏面を足して60cmになる寸法といわれています。
蹴上×2+踏面=60cmという計算式です。60cmくらいが標準的な日本人の歩幅に合っているので、階段を上り下りしやすいというわけです。
引用:LIXIL SQUARE
例えば、
- (蹴上)18cm×2+(踏面)24cm=60cm
- (蹴上)19cm×2+(踏面)22cm=60cm
- (蹴上)20cm×2+(踏面)20cm=60cm
このような組み合わせが、登り下りしやすい階段を言えます。
実際に、階段を登り下りしてみて、自分たちが使いやすいサイズを伝えるのがベスト。
我が家は、踏面を少し大きめに設定していただきました。
階段勾配は緩やかに
階段の段差が高いほど、勾配は急になります。
もちろん、登り下りしやすい階段は、勾配が緩やかなもの。
フラット35で規定されている、バリアフリー性に関する基準では、下記のようになっています。
高齢者配慮対策等級4
- 6(蹴上)/ 7(踏面) 以下
つまり、6 ÷ 7 = 0.857 以下だと、バリアフリー性が高いといえます。
我が家の階段は、下記のように設計いただきました。
- (蹴上)18cm
- (踏面)25.2cm
- (段数)15段
先の計算式に当てはめてみます。
(蹴上)18cm ÷ (踏面)25.2cm = 0.714
フラット35の基準値よりも、緩やかな勾配の階段になりました。
階段の種類も大事
階段は、いくつか種類があります。
もちろん、昇降のしやすさも、差が出てきます。
ポイントのひとつは、踊り場。
踊り場とは、階段と階段の間にある平らな部分。
踊り場があると、万が一、足を滑らせて落ちても、下まで落ちることを防いでくれます。
直進階段
名前のとおり、一直線の階段。
オープン階段と呼ばれるタイプも人気。
採光が取れるため室内が明るくなり、圧迫がなくスッキリとした印象の階段です。
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メリット
- 省スペース
- スッキリとしたデザイン性
- 価格も抑えめ(鉄骨階段を除く)
- 踏板が三角にならないため、登り下りしやすい
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デメリット
- 踊り場がない場合、落ちると危険
- 急勾配になりがち(勾配を緩やかにするには、スペースが必要)
(スペースの関係で踊り場なし)
基本的に、子世帯夫婦しか使わない予定だけど、息子が落ちないように対策しないと……。
まわり階段
狭小住宅や建売住宅で一般的に使われる形。
90℃もしくは、180℃方向を変える際に、30℃もしくは45℃に分割した踏板で昇降する階段です。
踏板が三角形になっているため、階段内側での昇降は踏み外す危険性があります。
今の義実家は建売住宅なので、まわり階段を使っています。
70歳を過ぎた義両親には、やはり、負担が大きいようです。
ハウスメーカーでも、採用・不採用の見解が分かれているようです。
我が家の廻り階段はこれー!となりました。30度階段ですね。
大手ハウスメーカーでは危険ということで15年も前に禁止!?ミサワは禁止してないようです。まー蔵があったりして天井高の関係で階段の段数が増えガチですからね・・・。
-
メリット
- 省スペース
- 低コスト
そういう意味では、救世主的な存在。
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デメリット
- 踏板が三角のため危険
階段の安全性を優先しすぎて、他の間取りの希望が叶えられえないのも、残念。
家作りはバランスが大切です。
しかしながら、他の階段と比べて危険度が増すことも事実。
赤ちゃんを抱っこしながら、階段を使う可能性がある方や、高齢者が同居する方は、避けたほうが安心かもしれません。
ぜひ、設計がはじまるときに、相談してみましょう。
折返し階段
折り返し階段は、「Uの字型」に方向を変えて上がる階段。
途中に踊り場があり、安全性の高い階段です。
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メリット
- 昇降しやすく安全
- 踊り場で休憩もできる
- 直階段より段数が増えるため、勾配が緩やか
-
デメリット
- 広いスペースが必要
踊り場が必要なので、スペースが必要です。
他の間取り(LDKや収納スペース)との兼ね合いで、設置を断念するケースも多いと思います。
うちは、2階のLDK部分を削減できなかったので、設置を断念。
らせん階段
らせん階段は、回転した形で、上から見ると円形の階段。
階段の柱を中心に回転しながら、昇降します。
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メリット
- デザイン性が高い
- 省スペース
- 採光・通風がとれる
-
デメリット
- 踊り場がなく、危険
- 大型家電家具の搬入ができない
- 音が伝わりやすい
- 空調が効きにくい
らせん階段は空間が空いているため、吹き抜けのようになっています。
吹き抜け同様、音と空調問題が発生。
設計時に注意が必要です。
また、手すりが必須になり、階段幅が狭く、大型荷物の搬入は難しいです。
引越し時はもちろん、日常生活でも、買い物袋を持っての昇降は大変かもしれません……。
20年後、30年後のことを考えると、らせん階段の採用は難しそう……。
他に階段があるとか、デメリットを解消できれば、とても素敵ですが……。
かね折り階段
かね折り階段は、踊り場で方向を変えて、登り下りする階段です。
L字になっていることが特徴的。
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メリット
- 踊り場があるため、下まで落ちない
- 階段下スペースが収納等に活用できる
-
デメリット
- 階段スペースがそれなりに必要
踊り場を設けるので、直階段よりスペースが必要です。
しかしながら、折返し階段等より省スペースなので、採用しやすいかもしれません。
中あき階段
「コ」の字型の階段。
階段中心部が吹き抜けや、収納等に使われることが一般的。
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メリット
- 踊り場があるため、下まで落ちない
- 吹き抜けにすることで、開放的な空間に(窓を設置)
-
デメリット
- 階段スペースが必要
あまり採用している方がいなく、写真等は少なかったです……。
我が家のおうちが完成したら、使用感も含めて、再度アップしていきたいと思います。
階段設計の注意点
階段高さに注意
階段設計は、とても難しいです。
途中で変更依頼をすると、天井かぶりが起きることも、よくあります。
よくある設計ミス№1
階段上がっている途中で天井に頭が当たりそう。
階段の3段目の上に天井があると頭が当たります。
2段目の上だったら頭は当たりませんけど、私はオススメしません。なぜなら階段を下りるときに圧迫感があるからです。
階段は、1階・2階にかぶってはいけない。
とても大事なことなので、頭の片隅に置いておきましょう。
階段の飛び出し段に注意
階段がうまく収まらない場合、1段目をはみ出す設計にする場合があります。
これだけで危険性が高まるので、注意が必要です。
1階の床とまったく同じは危険
建ててみるまで分かりませんでしたが、わが家は1階の床と階段の床で同じ素材を選んでしまいました。
現在は、すべり止めを取りつけていますが、当初は何もつけておらず、上から見たときに階段と1階床とが同化してしまっていました。このように、階段の1番下の段が飛び出している場合、踏み外す危険が高いです。
上から見るとこんな感じです。すべり止めのテープがないとほとんど同化して見えていました。
階段がホール部分に飛び出してしまう場合は、腰壁をつけるなど、工夫をした方が安心かもしれません
「ホール階段で行く!」と決めてからの悩みは間取りですね。
小さい建物へホール階段を入れようとすると色々犠牲も生まれます。結果的に階段下にトイレを入れた為「トイレ天井の高さを確保→階段の1段目をホールへはみ出す」という方法で乗り越えています。
引用:ホール階段にして良かった
1段目から手すりがあった方が、階段は登りやすいですよね。
まとめ
階段は、間取りを大きく左右する重要項目。
設計の初期段階で、
- どのような形状の階段にしたいか?(踊り場の有無)
- 階段の段差は、どのくらいが良いか?
設計士さんと相談をしながら、階段のイメージを膨らませておくべきでした。
階段はリフォームもしにくく、新築時の階段を数十年後も使っていきます。
新築時に40歳の方は、20年後は60歳。階段の登り降りのしやすさは、今と感じ方が違うかもしれません。
長く安心して生活するには、階段もこだわって設計していきたいですね。
これから、おうち作りをする方の参考になれば幸いです。